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もがり

  • 2007年5月28日 23:27

殯の森という日本の作品がカンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞したというニュースを聞いて、「もがり?」と思った人は多かったはず。私もそうです。早速インターネットであちこち調べてみると、いくつか引っかかってきました。総合すると、古代、身分の高い人が亡くなってから墓ができるまでの間、仮に安置して死を悼んだ場所、ということのようですが、語源と思われるものがいくつかありました。一つは「喪上がり」という言葉が変化した、というもの。これは意味からで、通説となっているようです。もう一つは、幼児が欲しいものをねだって泣き叫ぶ様子〜つまり擬態語、という説。直接「殯」を指した語源の解釈ではありませんが、もがりという音で引くと「虎落笛」という単語も引っかかります。冬の強い風が竹垣などを遠て笛のような音を立てる音のことで、子どもが高い声で泣く声を連想させることとから、もがり、という音が当てられたとか。意味合い的なことを考えるとこの2つには通じるものを感じます。いずれも、いないもの、ないものを恋しがり身悶えして泣く様子が浮かんできます。

五月に、皇孫建王、年八歳して薨せましぬ。今城の谷の上に、殯をたてて収む。

という斉明天皇の歌には、可愛がっていた孫をたった8才で亡くした嘆きが、「殯をたてて収む」という下りに凝縮され伝わってきますが、これも殯という言葉の意味を知ってこそ。
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/saimei.html

もがりという音からは、籠ったような語感に暗さだけでなく何かの情感を感じましたが、調べてみて、大事な人の死を手厚く葬る古代人の息使いを伝える言葉だったことを知りました。それにしてもこういうマニアックな言葉選びはどこから来たのか気になって、さらにネットで監督の河瀬直美という人の出身を見ると、奈良県奈良市とありました。彼女にとっては古代は決して遠いものではなく、身近なものなのかもしれない、、と、えらく単純に勝手に納得した私です。

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