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お役所言葉と若者言葉

  • 2008年12月10日 13:40
  • 日本語

今日私が行った、とあるシンポジウムで省庁のお役人が言った言葉。
「わが国の○○」
文字で見ると何ら問題はありませんが、私にはこう聞こえました。
「わがコクの」
?聞き違いかと思ったら、そのあともう一度、確かにもう一度、
「わがコクは○○」

500人以上の聴衆の前で、確かにそうおっしゃいましたが、そんなことを気にしていたのは(というより気がついたのは)私だけかも知れません。本題と違うので。

聞いていてふと思ったのが、
お役所言葉って若者言葉と似ている、ということ。

若者言葉というのは、もともと内輪で使われていた隠語や特殊な言葉遣いなどが若者層に受けて広まったもので、たとえば「チョーウザイ」「全然オーケー」など、いわゆる正しさという点から言うと、かなり怪しいわけです。

もと若者経験者として思い出してみると、その怪しさがまた楽かった。というかあ、大人がしかめ面をするのが面白かった、みたいな?

世間的には正しくないけれど、自分たちの間では<敢えて>こっちを使う、という内輪の連帯感やらアイデンティティ、ある種のプライド、他との差別化、使わない(使えない)もの(大人)への優越感などが若者をして、若者言葉を使わせる。それは未来永劫、そうなのだ、と言えます。

で、大人社会のエッセンスのようなお役所内ではどうなのか。
お役所言葉という言い方があるほどに、世間一般とは違った読み方、話し方をすることはさんざん批判の対象になっています。以前私が書いた「競売(けいばい)」とか「者(シャ)」のような言い方は、法律の専門家がよく使う言い方のようですが、なぜそれが広がって行ったかというと、どうも「文書読み上げ」にその原因の一つがあるような気がします。

なにしろ、お役所系主催の会議では一字一句間違えないように、句読点、括弧のたぐいまで読み上げたりするのです。まるで昔の小学校のように、「括弧イチ、括弧閉じる」とか。びっくりするのは、「サンぽち」などという読み方。何かというと、「3.」です。

話しがだいぶ迂回していますが、要するに、こうした普通の常識からすると実にへんちくりんな日本語は、法律家やお役所が聞き違いを防ぐための便法として使い始めた、と言うことが考えられます。

それで、それがなぜ若者言葉と似ていると私が思うか、なのですが、だいたい内輪の言葉を外に使わなくてもよさそうなもの。でも、なぜそんな世間では使わないとわかっていても(多分)、使ってしまうのかというと、先に上げた若者言葉を使う若者の心境と似ていると思うから。つまり、

「世間的には正しくないけれど、自分たちの間では<敢えて>こっちを使う、という内輪の連帯感やらアイデンティティ、ある種のプライド、他との差別化、使わない(使えない)もの(大人)への優越感など」
......を感じているのではないか。それを外部に向けて使うときの妙な快感や優越感のようなものがある限り、お役所言葉はなくならない(多分)。

そして、もう一つの共通点はうつること。一旦うつったが最後、はじめに感じた違和感が薄れて、つい口に出てしまう。恐ろしい病です。でも、そうやって、たとえ間違った使い方であっても、そのうちそれが主流になっていくものもあります。そこが言葉のマジヤバイ面白さだったりして。

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